「議論は始まったばかりだし、結論を出すのは広い意味での社会だろう」
ハイスクールの理科室でLSDを合成し、夜中に家を抜けだした双子の男の子を前に紹介したが、その母親に、思春期でいいなと思うことをあげてみてと頼んだ。
彼女は顔をぱっと輝かせて、こう言った。
「ティーンエイジャーがすばらしいのは、何といってもそのユーモアよ。
うちの息子たちは、ある日を境におたがいのことをジョークにするようになったの。
皮肉と噺笑のこもった、乾いたユーモアのジョークよ。
私にとっては、それが思春期最高の一面ね。
ジョークが理解できるようになって、親といっしょに笑えるようになったの」「つまらないことだと思われるかもしれない」と母親は言った。
「でも息子は自分のことを外から見て冗談にしたの。
とてもすばらしい変化なのよ」別の母親は、15歳の息子に驚かされたという。
幼児体型が残っていて、おなかまわりがぽっちゃりしている彼は、ある日とつぜん体重のことを臆せず話すようになり、自分の「賛肉」を冗談にするようになった。
肩をすくめてこう答えたという。
「ホッケーははずしちゃったな。
スカッシュなんて、的にも届きやしない」思春期特有のこんな気まぐれは、どこからやってくるのだろう?これまでは、おもにホルモンが怪しいと思われていた。
思春期はホルモンの分泌が盛んになるのだ。
だから親はホルモンに恐怖を覚える。
わが子が大きくなって、ようやくしっかりしてきたと思った矢先、真夜中に忍びこんでわが子をさらい、反抗的な性格に作りかえてしまう悪いやつ。
につくきホルモン。
だがほんとうにホルモンが悪者なのだろうか?たしかに、ある程度まではホルモンのせいだ。
ホルモンがすべてではないが、だからといってそのわからないよ。
12歳、女の子。
「何が起こったのかわからない。
急に腹が立ってきて、その気持ちがぜんぜんおさまらないの。
ずいぶん長いあいだ、怒りがおさまらなかったわ」13歳、男の子。
ときどきすごく気持ちがこんがらがるんだ。
このあいだ、ゴーカートに連れていってくれって両親に頼んだ。
やりたくてわくわくしてた。
でもゴーカート場に着いたら、やりたくなくなった。
家に帰りたくて、情けなくて、腹が立った。
とはいえ、脳の発達と思春期の行動に、ホルモンがどこまで関係しているかを確かめるのはむずかしい。
私たちは、ホルモンがティーンエイジャーの心を乗っとる瞬間、そんな瞬間があれば、を見つけることができるだろうか?働きを過小評価するのは誤りだ。
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